求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
22 到来
「……あ。ウェンディだ」
私がアスカロンの部屋を訪れると、キュキュっという高い鳴き声に重なって可愛い声が聞こえた。
ああ。これはアスカロンの声だわ……私は今、この子が何を言っているのか、理解することが出来るんだ。
「……今日は、すぐに撫でてくれないのかな……お仕事が、終わってからかな……この前は、なんで泣いていたんだろう……飛行訓練、一緒に来るのかな」
アスカロンは独り言を言いつつ、私の方へと近づき、柵の中で不思議そうに首を傾げていた。
私は子竜たちの声が聞こえるようになったけれど、竜舎ではジリオラさんが近くに居たりして、彼らと会話することは叶わなかった。
竜力は生まれた時に決まっていて、何の理由もなく突然上がったりすることはない。私のように婚姻の儀を行い夫となった人が、異常に竜力が強過ぎて、それに引っ張られたりしない限りは。
だから、聞こえているけれど、聞こえないふりをしていた。
まだまだ、産まれてから数ヶ月しか経っていないはずなのに、子竜たちは思っていたよりも込み入った会話をしている時もあって、私は笑いを堪えるので大変な時もある。
けれど、このアスカロンの部屋には、私一人……それに、お世話を私がしているのなら、交替で仕事をしているジリオラさんがここに来ることはない。
「アスカロン……来たらすぐに撫でて欲しかったのね。気がつかなくてごめんね」
私がアスカロンの部屋を訪れると、キュキュっという高い鳴き声に重なって可愛い声が聞こえた。
ああ。これはアスカロンの声だわ……私は今、この子が何を言っているのか、理解することが出来るんだ。
「……今日は、すぐに撫でてくれないのかな……お仕事が、終わってからかな……この前は、なんで泣いていたんだろう……飛行訓練、一緒に来るのかな」
アスカロンは独り言を言いつつ、私の方へと近づき、柵の中で不思議そうに首を傾げていた。
私は子竜たちの声が聞こえるようになったけれど、竜舎ではジリオラさんが近くに居たりして、彼らと会話することは叶わなかった。
竜力は生まれた時に決まっていて、何の理由もなく突然上がったりすることはない。私のように婚姻の儀を行い夫となった人が、異常に竜力が強過ぎて、それに引っ張られたりしない限りは。
だから、聞こえているけれど、聞こえないふりをしていた。
まだまだ、産まれてから数ヶ月しか経っていないはずなのに、子竜たちは思っていたよりも込み入った会話をしている時もあって、私は笑いを堪えるので大変な時もある。
けれど、このアスカロンの部屋には、私一人……それに、お世話を私がしているのなら、交替で仕事をしているジリオラさんがここに来ることはない。
「アスカロン……来たらすぐに撫でて欲しかったのね。気がつかなくてごめんね」