求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
「言葉の通りです。殿下。ついこの前に婚姻の儀を済ませましたので、俺には今妻が居ます。他の女性と結婚することは出来ません」
そう言って、団長はおもむろに上着を脱ぎ白いシャツの釦を外すと、胸に刻まれた紋章をジルベルト殿下へと見せた。そこには、私の胸にあるものと同じ紋章があるはず。
二本の剣を支える、二匹の竜。
「ほう……縁談を免れたいがための嘘ではなく、本当に、お前は結婚したんだな? ユーシス」
「はい」
「どこの令嬢だ。お前は貴族令嬢を、嫌っていたと聞いているが」
「……とても大事な女性なので、誰かは明かせません」
「なんだと? 俺に取られるとでも思って居るのか」
隠す態度が気に入らないと示すように鼻を鳴らしたジルベルト殿下に、団長は淡々を返した。
「どう取っていただいても構いませんが、誰にも知られたくないほどに愛しているので、誰と結婚しているかは殿下にも明かせません」
「……父上は、知っているのか」
「婚姻の儀を済ませた時に、陛下には伝わったかと」
そう言って、団長はおもむろに上着を脱ぎ白いシャツの釦を外すと、胸に刻まれた紋章をジルベルト殿下へと見せた。そこには、私の胸にあるものと同じ紋章があるはず。
二本の剣を支える、二匹の竜。
「ほう……縁談を免れたいがための嘘ではなく、本当に、お前は結婚したんだな? ユーシス」
「はい」
「どこの令嬢だ。お前は貴族令嬢を、嫌っていたと聞いているが」
「……とても大事な女性なので、誰かは明かせません」
「なんだと? 俺に取られるとでも思って居るのか」
隠す態度が気に入らないと示すように鼻を鳴らしたジルベルト殿下に、団長は淡々を返した。
「どう取っていただいても構いませんが、誰にも知られたくないほどに愛しているので、誰と結婚しているかは殿下にも明かせません」
「……父上は、知っているのか」
「婚姻の儀を済ませた時に、陛下には伝わったかと」