求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
 私がジリオラさんに質問すると、彼女は頬に手をあててつらそうな表情を見せた。

「いやねえ……今日は実はアスカロンの王族への、お披露目する予定があったんだよ。あの子は神竜同士の子で、とても珍しいから。けど、これまでは元気そのものだったのに、こんな日に限って体調が悪くなってしまうなんてねえ……またこれもユーシスの責任になってしまうだろうから、私も胸が痛いよ」

「……あ。アスカロンは……」

 ……そうだった。

 アスカロンは団長の竜ルクレツィアの子でもあるけれど、第二王子ジルベルト殿下の竜ウォルフガングの子でもあるので、どんな子竜なのかと王族たちが気にされるのは当然のことだった。

 けれど、子竜たちが熱を出す出さないは、団長がどうこう出来る話でもないのに……。

「ユーシスはこれでまた、ジルベルト殿下に何か言われると思うとねえ。直接の責任は私の監督不足なんだけどさ。私の雇い主は、ユーシスだからね」

「どうして。団長ばかり、責められないといけないなんて……おかしいです」

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