求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
 ライルは何もなくなってしまった邸を見回しながら冷静にそう言って、彼の視線を追ったリシャールは悔しそうにして何も言えないままで黙るしかなかった。

 リシャールを迎えに馬車が来て「くれぐれも姉様を頼む」と去った後、安心して胸をなで下ろした私はライルにこれからのことを確認することにした。

「あの……アレイスター竜騎士団には、私にも出来そうな仕事があるのかしら?」

 これまでに貴族として生まれ育ち、自慢ではないけれど、掃除も料理もしたことはない。ライルは少し言いづらそうにしつつも、苦笑いして言った。

「実は竜騎士団には、貴族の血を引く女性にしか出来ない……特別なお仕事があるんです……」

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