求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
これまで露骨に横暴な態度をとり続けていたジルベルト殿下が、ジリオラさんが出て来たら、途端に勢いをなくし、城へと帰って行ってしまったことは確かだった。
ジリオラさんは……アレイスター竜騎士団で三十年ほど子竜守を続けていた貴重な貴族女性ではあるけれど、王族だというのに、あの態度は確かにおかしかった。
「そうだよ。私とあの子の名前は、似ていると思わないかい?」
「ジリオラ……ジルベルト……確かに、そうですね」
ジリオラさんの質問に私は頷いた。二人の名前は確かに、良く似ている。けれど、それはただの偶然だと思っていた。
「あの子が王妃陛下のお腹に居た頃のことだよ。何故か機密情報が漏れてしまい、王家が揃って乗っていた馬車を、敵軍に執拗に狙われてね。私の夫イスマイルは一人で多勢の敵に立ち向かう事になり、あの人たちを守るために囮となって、殉職したんだよ」
「あ……」
私は言葉を失ってしまった。ジリオラさんの旦那さんは、王族を守って……亡くなったんだ。
ジリオラさんは……アレイスター竜騎士団で三十年ほど子竜守を続けていた貴重な貴族女性ではあるけれど、王族だというのに、あの態度は確かにおかしかった。
「そうだよ。私とあの子の名前は、似ていると思わないかい?」
「ジリオラ……ジルベルト……確かに、そうですね」
ジリオラさんの質問に私は頷いた。二人の名前は確かに、良く似ている。けれど、それはただの偶然だと思っていた。
「あの子が王妃陛下のお腹に居た頃のことだよ。何故か機密情報が漏れてしまい、王家が揃って乗っていた馬車を、敵軍に執拗に狙われてね。私の夫イスマイルは一人で多勢の敵に立ち向かう事になり、あの人たちを守るために囮となって、殉職したんだよ」
「あ……」
私は言葉を失ってしまった。ジリオラさんの旦那さんは、王族を守って……亡くなったんだ。