求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
「……だから、王妃は夫の名前をと言ってくれたんだが、私がそれは嫌だと言ったんだよ。私のイスマエルは、あの人だけで良いからとね。せめて、私の名前をと言われたので、それは了承した。第二王子ジルベルトという名前は、私の名前を取って付けられている……そういう曰く付きだから、あの子は私には逆らえないのさ」
「ジリオラさん……」
「勘違いしないでくれよ。ディルクージュ王国は直系王家が居なければ、成り立たない仕組みだからね。私は王家を恨んでも居ないし、それを守った夫を誇りに思って居るよ。数え切れない国民を守るために、あの人はたった一人で戦ったんだ」
その出来事を語るジリオラさんの口調は、淡々としていて、運命だとすべてを受け入れているようだった。
……けれど、一夜にしてすべてを失った過去のある私には、少しだけ彼女の気持ちがわかってしまう。
思いもよらなかったひとつの出来事で人生が生活のすべてが変わってしまい、ジリオラさんがそれを乗り越えるために、どれだけの多くの葛藤を持ち、受け入れるまでの長い時間が流れたのか。
「ジリオラさん……」
「勘違いしないでくれよ。ディルクージュ王国は直系王家が居なければ、成り立たない仕組みだからね。私は王家を恨んでも居ないし、それを守った夫を誇りに思って居るよ。数え切れない国民を守るために、あの人はたった一人で戦ったんだ」
その出来事を語るジリオラさんの口調は、淡々としていて、運命だとすべてを受け入れているようだった。
……けれど、一夜にしてすべてを失った過去のある私には、少しだけ彼女の気持ちがわかってしまう。
思いもよらなかったひとつの出来事で人生が生活のすべてが変わってしまい、ジリオラさんがそれを乗り越えるために、どれだけの多くの葛藤を持ち、受け入れるまでの長い時間が流れたのか。