求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
03 説得
「……それで、竜騎士ライル・フォンタンの紹介で、このアレイスター竜騎士団で働きたいと?」
何とかアレイスター竜騎士団で働きたい事情を言い終えた私は、座ったままで先ほど私が慌てて書いた書類を片手に持つ男性から鋭い眼差しで睨まれていた。
それは比喩的表現のはずなのに、触れれば切れてしまいそうな刃物のような視線とは、この事なのかもしれない。檻の中に居る肉食の猛獣に獲物として、見定められているような……そんな気分。
誰かからそんな視線を向けられることが産まれて初めての私は、内心冷や汗をかきつつ、とても居心地が悪かった。
逃げ出したいけれど、逃げられない。
だって、私はどうしても……ここでの、アレイスター竜騎士団での仕事が欲しいもの。姉がお金もない無職だと知ればリシャールが、貴族学校から私の元に戻って来てしまう。
それだけは、避けたかった。
目の前の、立派な机に座っている男性。このアレイスター竜騎士団の騎士団長に、どうにかお願いして縋ってでもここで雇ってもらわなければ。
彼の名前は有名なアレイスター竜騎士団長ユーシス・カートライト。
黒い髪に涼やかな青い目を持つ精悍で整った美形の男性で、何故かとある貴族の傍流の血筋であるのに、現在竜騎士としての資格を持つ何人かの王族たちよりも、竜力を自在に引き出すことが出来るのだと言う。
何とかアレイスター竜騎士団で働きたい事情を言い終えた私は、座ったままで先ほど私が慌てて書いた書類を片手に持つ男性から鋭い眼差しで睨まれていた。
それは比喩的表現のはずなのに、触れれば切れてしまいそうな刃物のような視線とは、この事なのかもしれない。檻の中に居る肉食の猛獣に獲物として、見定められているような……そんな気分。
誰かからそんな視線を向けられることが産まれて初めての私は、内心冷や汗をかきつつ、とても居心地が悪かった。
逃げ出したいけれど、逃げられない。
だって、私はどうしても……ここでの、アレイスター竜騎士団での仕事が欲しいもの。姉がお金もない無職だと知ればリシャールが、貴族学校から私の元に戻って来てしまう。
それだけは、避けたかった。
目の前の、立派な机に座っている男性。このアレイスター竜騎士団の騎士団長に、どうにかお願いして縋ってでもここで雇ってもらわなければ。
彼の名前は有名なアレイスター竜騎士団長ユーシス・カートライト。
黒い髪に涼やかな青い目を持つ精悍で整った美形の男性で、何故かとある貴族の傍流の血筋であるのに、現在竜騎士としての資格を持つ何人かの王族たちよりも、竜力を自在に引き出すことが出来るのだと言う。