求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。

28 ドレス

「あの子……本当に、馬鹿だったんだねえ」

 ウォルフガングが暴走した顛末を、仕事中に竜舎へとやって来た団長から聞いたジリオラさんは言葉を失い、その隣に居た私だって、王族に対し不敬かもしれないけれど同じ気持ちだった。

 ジルベルト殿下たちが暴走してしまった理由は……ディルクージュ王国の王族に代々伝わるという、竜力を倍増させるという腕輪があるらしい。

 それは、相応しい持ち主が使わねば本人も竜も力が暴走してしまうため、先祖代々使用を禁止されていたけれども『俺ならば可能だ』とのたまったジルベルト殿下は、臣下の制止を振り切りその腕輪を嵌めてしまったらしい。

 そして、見事に暴走……そして、憎んでいる団長の居るアレイスター竜騎士団へと向かって、攻撃を仕掛けて来た。

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