求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
「どうして、あの場に出て来た? ルクレツィアは逃げるように警告したと言っていた」

 団長は少し、怒っているようだ。私は身を守る術もなく、二匹の神竜が激突する場所に居たのだ。子竜たちに守ってもらって事なきを得たけれど、彼が怒ってしまうのも無理はない話なのかもしれない。

「そのっ……団長が心配で……私。逃げられなくて……ごめんなさい」

 その時、私の目から涙がこぼれてしまい、私は両手で顔を隠したら、団長は私の身体を抱きしめた。

「ああ。俺もあの時、胸が痛くて……ジルベルト殿下には悪いが、これは死んで貰う他ないと思った。子竜たちが君が助けたと知り、誰かを守るためにはなんでもすると思ったんだ」

「団長……」

 私が顔をあげた時、宙に浮く子竜たちが私たちを取り囲んでじーっと観察しているのを見て、慌てて両手を突き出して彼から離れた。

「えっ……なんで……」

「良いところだったよね?」

「続けて続けて」

「気にせずどうぞどうぞー」

「なんでやめちゃうの?」

「ほんとだよ!」

「離れないで、もっと見せてよー」

「ねー。みたいー」

「そうだよー」

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