求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
彼はカートライト団長とは真逆とも言える、優しそうで柔和な容姿を持っていた。
「ユーシス。別に良いじゃないか。彼女を雇ってあげなよ」
「おい。セオドア。適当な口を挟むな」
セオドアと呼ばれた男性は、カートライト団長の言葉を聞いて、やれやれと額に手を置いた。
「事情を聞いただろう? 若い身空でたった一人になってしまって。可哀想だよ」
「……その理由で人助けをしていたら、俺の身が持たない」
「おいおい。それに、彼女は君がご希望の、珍しい働きたい貴族女性だよ? 僕たち、ずっと探していたじゃないか。ジリオラの後釜にピッタリ!」
「……若過ぎる。しかも、未婚だ」
「その程度……ほんの誤差の範囲内だよ。見てみなよ。ライルがどうしても放って置けないとここへ連れてきた理由がわかるよ。今まで働くことに無縁だった貴族令嬢が、たった一人でこんな風に、働く先を探しているなんて! 聞けば、誰もが涙する悲劇だよ……彼女をここで見捨ててしまうことは、騎士道に反する悪い行いだと思うね」
芝居がかった仕草で両手を動かした彼は言い、カートライト団長は顔に難しい表情を浮かべた。
「ユーシス。別に良いじゃないか。彼女を雇ってあげなよ」
「おい。セオドア。適当な口を挟むな」
セオドアと呼ばれた男性は、カートライト団長の言葉を聞いて、やれやれと額に手を置いた。
「事情を聞いただろう? 若い身空でたった一人になってしまって。可哀想だよ」
「……その理由で人助けをしていたら、俺の身が持たない」
「おいおい。それに、彼女は君がご希望の、珍しい働きたい貴族女性だよ? 僕たち、ずっと探していたじゃないか。ジリオラの後釜にピッタリ!」
「……若過ぎる。しかも、未婚だ」
「その程度……ほんの誤差の範囲内だよ。見てみなよ。ライルがどうしても放って置けないとここへ連れてきた理由がわかるよ。今まで働くことに無縁だった貴族令嬢が、たった一人でこんな風に、働く先を探しているなんて! 聞けば、誰もが涙する悲劇だよ……彼女をここで見捨ててしまうことは、騎士道に反する悪い行いだと思うね」
芝居がかった仕草で両手を動かした彼は言い、カートライト団長は顔に難しい表情を浮かべた。