求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。

04 採用通告

 私はカートライト団長より二人で相談するからと伝えられたので退室し、通された応接室に緊張しながら彼らの判断を待っていた。

 雇って欲しい……もう、祈ることしか出来ないけれど。

 ライルは平の竜騎士で自分には権限はないと言ってはいたけれど、長年知っていて、信頼することが出来る彼が同じ場所に居てくれるなら私にとっては確かに心強い。

 ああ……今朝。紹介状を片手に出て行ってしまった使用人たちは、私がまさかこんなことになっているなんて誰も思わないはずだ。

 けれど、お父様だって短期間のうちに色々あってだいぶ追い詰められていたと思うし、借金を返さなければいった気持ちが先行して、娘と息子を置いていくという選択をしたのだろう。

 同情の余地はある……お父様は、一夜にしてすべてを失ったのよ。

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