求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
 ぽかんとした私を置いて、さっさと廊下に出る彼を慌てて追った。

「……大変ですが、頑張ってくださいね」

「はいっ……! 無理を言って働かせて頂けるのですから、当然のことです」

 私の言葉を聞いてセオドアは一瞬振り返り、良い笑顔で微笑んだ。

「とても良い心がけですね」

 私たちはそれから長い廊下を歩き、騎士団の建物の隣にある、大きな建物にたどり着いた。

 セオドアが重い扉を開ければ、空気が篭っていたのかムッとした熱気が伝わった。

 ……何かしら?

「僕もウェンディに働いてもらえて、とても嬉しいです。それでは、君にはこちらで働いてもらうことになります……」

 私は先に中に入ったセオドアに続き、建物内部へと入った。

 そこに居たのは、床に敷かれた金色の藁の上で寝たり遊んだりしている色とりどりの可愛い子竜たち。まだ孵っていない大きな白い卵も孵化中なのか、柔らかそうな毛布に包まれて奥に見えた。

「わあ……なんて可愛いの」

 私がその光景をパッと見て思ったのは、これだった。

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