求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
08 特別な子竜
私がアレイスター竜騎士団で働き始めることになり、そろそろひと月という時間が経とうとしていた。
今ではすっかり子竜守の仕事にも慣れて来て、子竜のミルク瓶換えだってお手の物だ。
前は瓶先についている透明なスライムで出来た飲み口を浅く入れていたのだけど、先を喉に近いところにまで入れた方が子竜は飲みやすいのだと最近気がついた。
可哀想と思って遠慮していたのだけど、子竜たちはその方が飲みやすいようなのだ。
始めの頃は何をしても慣れずにこれで大丈夫かと恐れつつやるしかなかったけれど、回数をこなせばこなすほどに上手い手付きになっていて、私が自信が付いたならば、お世話をされる子竜たちもより安心することが出来ているようだ。
だんだんと出来ることが増えて来て、本当に嬉しい。貴族の娘だということ以外何もない私が……ここに居ても良いんだと、そう思えるから。
「……ウェンディ! ウェンディ。少し良いかい」
歩く両脚を楽しそうな子竜たちに纏わり付かれながら、古くなった寝藁を袋へと回収していると、ジリオラさんの声が響いた。
「はい! なんでしょうか」
今ではすっかり子竜守の仕事にも慣れて来て、子竜のミルク瓶換えだってお手の物だ。
前は瓶先についている透明なスライムで出来た飲み口を浅く入れていたのだけど、先を喉に近いところにまで入れた方が子竜は飲みやすいのだと最近気がついた。
可哀想と思って遠慮していたのだけど、子竜たちはその方が飲みやすいようなのだ。
始めの頃は何をしても慣れずにこれで大丈夫かと恐れつつやるしかなかったけれど、回数をこなせばこなすほどに上手い手付きになっていて、私が自信が付いたならば、お世話をされる子竜たちもより安心することが出来ているようだ。
だんだんと出来ることが増えて来て、本当に嬉しい。貴族の娘だということ以外何もない私が……ここに居ても良いんだと、そう思えるから。
「……ウェンディ! ウェンディ。少し良いかい」
歩く両脚を楽しそうな子竜たちに纏わり付かれながら、古くなった寝藁を袋へと回収していると、ジリオラさんの声が響いた。
「はい! なんでしょうか」