求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
「はいはい。気になるんだよね。ルクレツィアの機嫌はどうだい。ずいぶんと産後は、機嫌が悪そうだったが」
ジリオラさんはカートライト団長に近付き、気安い仕草で彼の大きな背中を叩いた。それに動じることもなく、団長は低い声で答えた。
「今はかなり落ち着いている。いつもは穏やかな性格なので俺も驚いたものだが、ルクレツィアも初産だし、初めての出産で戸惑ったのかもしれない」
「いや、だから、本当に……言っていることが、あんたの子みたいなんだよ。気心知れた自分の竜の子だし、可愛いのはわかるけどねえ」
ジリオラさんは笑いながら、机の上に置かれていたミルク瓶を取り上げていた。
「団長。おはようございます……」
「ああ。おはよう」
おずおずと私が彼に挨拶をすると、団長は頷いて応えてくれた。カートライト団長の私に対する態度は出会った当初に比べると、かなり軟化していた。
挨拶をするとこんな風に普通に返してくれるし、睨まれてしまうこともない。当然のことかもしれないけれど、初対面での彼の様子を考えると、本当に良かったというほかない。
ジリオラさんはカートライト団長に近付き、気安い仕草で彼の大きな背中を叩いた。それに動じることもなく、団長は低い声で答えた。
「今はかなり落ち着いている。いつもは穏やかな性格なので俺も驚いたものだが、ルクレツィアも初産だし、初めての出産で戸惑ったのかもしれない」
「いや、だから、本当に……言っていることが、あんたの子みたいなんだよ。気心知れた自分の竜の子だし、可愛いのはわかるけどねえ」
ジリオラさんは笑いながら、机の上に置かれていたミルク瓶を取り上げていた。
「団長。おはようございます……」
「ああ。おはよう」
おずおずと私が彼に挨拶をすると、団長は頷いて応えてくれた。カートライト団長の私に対する態度は出会った当初に比べると、かなり軟化していた。
挨拶をするとこんな風に普通に返してくれるし、睨まれてしまうこともない。当然のことかもしれないけれど、初対面での彼の様子を考えると、本当に良かったというほかない。