求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
「……どちらかというと、逞しい方が良い。何も言わずに、泣いているだけでは困る。何かやりたい事、言いたい事があるなら、はっきり言ってくれる方が好ましい」

 そう言って、彼は食事へと目を戻した。

 そうなんだ……団長って、そういう女性が好みなのね。こんなにも素敵な人なのに女性との噂を聞いたことはないけれど、もしかしたら、男勝りな性格の婚約者でも居るのかしら。

 高位貴族なら幼い頃から婚約者が居る男性も多いし、団長も決まった女性が居て、その方について語っているのかもしれない。

「えー。ユーシス。君って、わかってないんだね。不器用な子が守ってあげなきゃと思うから、可愛いんじゃないか。わかってないよ。本当に」

「セオドア。ユーシスが自分の考えに同調しないからと、何を言っているんだい。見苦しいねえ……あんたってそういう所さえなければと思うよ。残念だ。顔は良いのにね」

「僕は、顔も良いだよ。ジリオラ。助詞を間違えているよ」

「はいはい。顔は良いよね。それは、私だってちゃんと認めてあげるよ」

「だからー!」

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