林高の紅一点
鬼頭逸花、16歳。
どこにでもいる至って普通の女子高生。
赤林高校に通ってるという一点を除いては。
赤林高校、通称、林高はヤンキーの登竜門と言われている、地元では有名な不良のたまり場だ。
どうしてそんなところに"普通"の私が通っているのかというと、大事な受験期に体調を崩し、本来受けるはずだった高校の入試を受験できなかったから。
体調が治った頃にはもう出願できる高校は林高しか残っておらず、今に至る……というわけだ。
名門、王蘭高校への入学も夢じゃないと言われていた私だけれど、いつも肝心なところで爪が甘くヘマをする。
今回のことも、親や中学、そして塾の先生に、どんなに嫌味を言われたことか。思い出すだけでも嫌になる。
しかし、起こってしまったことは仕方がない。
過去はいくら後悔しても変わらない。
だから私は前向きに生きることを決めたんだ。
全校で女子生徒が私一人だけという、この不良の巣窟、林高で。
*
どこにでもいる至って普通の女子高生。
赤林高校に通ってるという一点を除いては。
赤林高校、通称、林高はヤンキーの登竜門と言われている、地元では有名な不良のたまり場だ。
どうしてそんなところに"普通"の私が通っているのかというと、大事な受験期に体調を崩し、本来受けるはずだった高校の入試を受験できなかったから。
体調が治った頃にはもう出願できる高校は林高しか残っておらず、今に至る……というわけだ。
名門、王蘭高校への入学も夢じゃないと言われていた私だけれど、いつも肝心なところで爪が甘くヘマをする。
今回のことも、親や中学、そして塾の先生に、どんなに嫌味を言われたことか。思い出すだけでも嫌になる。
しかし、起こってしまったことは仕方がない。
過去はいくら後悔しても変わらない。
だから私は前向きに生きることを決めたんだ。
全校で女子生徒が私一人だけという、この不良の巣窟、林高で。
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