短編集
仲間一匹…追加?
時期外れに、転校生。
親が亡くなり、親類の家に引き取られ…転校してきた。女の子…
「葉山 奇利(はやま きり)好きなものは、金!好きなことは、商売!!」
…俺は、何故か悪魔…恵理夏を見る。
ニヤニヤと、獲物を見つけたような…仲間を見つけたような顔。
秋は、目を輝かせ…
「…いい女…勉強…くふふ…」と、嬉しそうだ。
秋…お前の、良い女って…何だ??
基準はどこだ?!
前に立っていた奇利は、悪魔を見つけ親指を立て…合図する。
悪魔も、それに答える。
何だ…?知合いなのか??
「「バカだな、同類は匂いで分かるんだよ」」と、二人同時。
HLが終わったあと、疑問をぶつけた俺に…常識を知らない奴だと、バカにした顔で答える。
それをメモる…秋…
頭が痛い…。
悪魔の仲間が増えた。
「おい、恵理夏…。本当は、奇利を召喚したんだろ?」
頭を押さえる俺に、恵理夏は怪しく微笑んだ…だけ。
【ゾゾッ】
…まるで、本当に召喚したと思わせる。悪魔…。
「ね、ちょっ…恵理夏!あの、かっこいい人!誰?ダレ?」
奇利…恋愛回路があったんだ。
ちょっと、意外だった…。
「あぁ、私の彼氏よ!」
彼氏?いたの?!
「何、意外な顔して…面白い顔ね。」と、恵理夏が俺の顔をバカにする。
いや、今はそれどころじゃない。
「ちぇ~。お手つきかぁ…」
「お手つき?!」
奇利の台詞を、必死でメモル秋。
そのノートを奪いながら、秋に訊いた。
「秋、知ってたの?」
「うぅん!知らないけど、どうでもいいことでしょ?」と、睨まれた?
確かに、どうでもいいが…。
不機嫌な秋が、必死でノートを奪おうと…高く上げたノートに、可愛くジャンプを繰り返す。
それを微笑みながら、楽しむ。
奇利は、好奇心いっぱいで、質問を悪魔に浴びせる。
「で、名前は?」
「ふふっ。まだ集会に参加してないから知らないか。彼、生徒会長の…」
「会長?!!」
俺の叫び声に、悪魔は微笑む。
「くすっ」
…この悪魔、まさか学校をのっとるつもりか??
「やぁだ。浩、私のこと…好きだったのぉ?」と、上機嫌な笑み。
本気じゃなく、からかう笑い。
この野郎…。
「浩君、私というものがありながら!」と、奇利。
「~~っ!!黙れ、この悪魔ども!全く、そいつも…頭いかれてるのか…?こんな女を彼女にするなんて。」
「やったぁ!!」と、秋。
手を下ろした俺から、ノートを取り戻し…くふくふと、笑っている。
…あぁ…何て、堕女神…。
「恵理夏。お前…」
ん…?
奇利が、クラスの女からお金を受け取った。
「…奇利?何、その…お金?」
怖いが、訊いた…。
「え?噂の真相の代金!」と。
千円札3枚を何度も数える。
「…真相?」
「あぁ、私と彼が付き合ってるって?」
…金?!
「くすくすくす…面白いわね。奇利、あんた…好いわ!」
「…ふふふっ。私は、高いわよ?くくっ…恵理夏なら、サービスしちゃうけど?」と、二人が抱き合う。
「止めろ!公衆の面前で!!」
クラス中が、二人を見つめる。…赤い顔をして。
それを、近くで座り…秋がメモリながらうなずく。
何が?!
「秋、いい加減にしろ!!」
「いや~~ん。」
「ま、お子ちゃまには分からないのね?」と、恵理夏は俺の唇を指でなぞる。
「ふふっ。教えてやろうか?そうだな、浩なら…クスッ」と、奇利が後ろから抱きつく。
~~っ!!
こいつ等、調子に乗りやがって!!
「離れろ!俺に、触るな!!」と、振り払う。
「……。」
そんな俺を、冷静に…秋が見つめていた。
「…秋?」
俺の視線に、作り笑顔…?