短編集

あいつ…本当は、野々瀬のこと…。
野々瀬は、どうかな…?

悪魔と、付き合っている…噂…。
回りくどい事、してるんだろうか?

…俺、他人のことには敏感なんだよな~~。
あの殺気…眼鏡の奥の、可愛い顔…俺が見たことへの嫉妬。
ま、あんな状況を見たのだから…もっと感情的になればいいのに…。
バカだな…。


「ホントにね…。」

?!!

教室に入る手前、悪魔が後ろから現れた。
野々瀬は、気づかずに中へ入っていく。

「…召喚、した覚えはないと…何度も言ってるだろ?」

「え、呼んだでしょ~?」と、妖しい笑み。

野々瀬の綺麗なのとは、違った…美しさ。
怖い…

「で、何が…ホント?」

クスクス…
笑って、恵理夏は自分の唇に指を滑らせ「何が…かしらね?」と、見つめる。

【ゾクッ】…背中に、寒気が走る。

「…恵理夏、今…寿命取った?何かが、減ったんだけど…」

ニッコリ…笑っただけで、教室に入って行った。
…抜かれた…何かが減った。

悪魔め…。
あいつ、俺の心…読めるのか?

授業が始まる。
先生の説明…黒板の文字…ノートに書き込み、窓の外を見る。

いい天気…
【コロンッ】机の上にメモ

周りを見る。
秋が、ニッコリ…微笑む。
女神の微笑み…秋は、美人というより…俺の中では可愛いイメージ。
女神は、美しい…だろうか?
けど、秋の微笑みは…女神。

何て、バカなことを考えながら…メモを開く。

『私は、あなたのモノXXX』

……。
だ…堕女神!!

秋は、まだ俺の方を見ていた。口パクで〔 ばぁ ~ か 〕と、返す。
秋は、クスッ…と笑って…投げキッス。

…憎めないな。
まるで、俺とのやり取りを…楽しんでいるようだ。

もしかして…まさか…ね。
一つの考えが頭に浮かび、否定して消した。

秋は、幼馴染。
可愛い彼女は、悪魔を友達に選んだ。…自分から。
何かを、悪魔に求め…女神から落ちた。

堕女神…それでも、染まりきらない秋。
…求めるのは…


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