短編集

堕女神の工程2


野々瀬 朱理(ののせ しゅり)

…真面目に生きてきた。
何が悲しくて、こんな人生を…?

「…ん…」

朝、目が覚める。
いつもより早い時間?目覚ましは、まだ…?

時計は、いつもの時間より5分過ぎている。
危なっ…?!

布団に、綺麗な顔で…寝ている男。

「…蒼…こっ…この、ボケがぁっ!」

学校では、クールな生徒会長。
海乾 蒼(みかわ あお)が、人のベッドに入り込んで…寝ている。

「ううぅ~~ん。おはよう」と、爽やかな笑顔。

「出て行け!何故、ここにいる?」

「え?だって、朱理の胸って…丁度いい枕。柔らかくないのがいい…」と、一言余計だ!!

「で・て・い・け!!」

そう、私の胸は…小さい。
だが、何の問題が??蒼には、関係ない話だ!!

蒼を追い出し、ドアにもたれる。

いつも、思う…どこから入ったんだ??
窓は、鍵がかかっている。
追い出す時に、ドアにも鍵はかかっていた。

密室…に、奴が現れるのはどうしてだ?
とにかく、ロスした時間を取り戻さないと!
急いで支度し、台所に向かう。


「…ねぇ、蒼が私の部屋にいるのは…どうして?」

「まぁ。知らない顔してあげてるのに!」

「か…母さん??私の部屋の鍵、蒼に渡したの?!」

母は、ニヤリ顔。

「まっ、白々しい!くすくす…蒼クンなら、母さん大喜びよ!」と、会話がずれている。

「か・あ・さ・ん??質問に、答えて!!」

ぶうっ…と、いくつの子?見たいに、口を尖らせ
「渡してません~~。あなたが、招いてるんでしょ?」だと?!

「…父さん!何とか、言ってよ!!」

「…蒼クン。いつ、家を開けようか?いつでも、協力するよ?」と、家族に紛れ…普通に朝食を取っている蒼に、ご機嫌の笑顔。

「…この…おやじぃ~~~~!!」

「もう、夫婦の喧嘩は犬も食わないのよ?」と、のんきな母。

うんうん…と、うなずく父と蒼。

「蒼、あんた…彼女がいるでしょ!!」

そう、綺麗な彼女がいる。

「蒼クン、本当なの?」

母の真剣な顔。
言ってやれ!私に、近づくなと!

「…いくら朱理の胸が小さいからって…」

【ガクッ…】
ち…小さい…って…今、今…そんなこと…

「あぁ、それは…しょうがないな。蒼クン、母さんも成長が遅かったが…育つ。少し、待ちなさい。いいかい?彼女は、3人までだよ?」

この、親は!!

「楽しそうだね~~」と、おばあちゃん。


< 122 / 130 >

この作品をシェア

pagetop