短編集
みみ!?
家に帰り、コトリの部屋に向かう。
「ただいま!」
「遅かったってことは、作戦成功かな?」
あ…浮かれて、コトリの気持ちを忘れていた。
俺の様子に、コトリは苦笑。
「俺さ、乙姫がコトワのこと好きだって知っていたんだ。」
「え!?待って、乙姫から好きだって聞いてないよ??」
強引に、俺の気持ちを押し付けただけで満足して帰ってきた。
「バカだなぁ~~。チュウで、満足したのかよ。今日、おじさん達…留守だったのに♪」
「えぇ??いるって、言ったよ!」
「…乙姫の部屋に入れたんだろ?」
ニヤリ…
その眼が、企んでいた時と同じ。
「入れたよ?」
「いいか?いたら、どこに案内されたと思う?」
「リビングだね…。いないなら、いないと言えば良いのに!」
「くくっ。意識した証拠だよ♪実際、何があった?チュウで終わったのは、いると思ったからだろ?」
「…いや?ただ、満足したから。」
俺の返事にうなだれる。
「ま、いい。俺と同じ…ふふ。同じだ♪」
「コトリは、乙姫が好きだろ?」
「好きだよ。同じなら分かるかな?もし、乙姫が俺を好きだとしたら…」
あぁ、付き合っていると思った時…俺は、あきらめた。
そっか…二人が付き合っていたら、周りから守った。
上手くいって欲しいと願い、協力しただろう…
「コトリ…同じだね♪」
「あぁ、同じ!」
うさぎのみみじゃ、ないけどね♪
END