短編集
混ざる色は
そんな関係も、あやふやで…
何と言えば良い?片思い?本当に恋心?
自分の闇に、近いそのモノに…安堵を得ているのだろうか?
同じような存在…自分の居場所…誰かの中に存在する意義…
味わうのは幸せなのか、一時的な安定に…このまま…いつまで続く?
「…もう、近づかないで。」
いつから、拒絶じゃなくなった?
俺の影…安堵の場…一時を、君も見たのかな?
「どうしてだ?」
「…私は、独りで生きてきた。」
「俺も、独りで生きてきた。」
「私は、居場所を求めない。」
「俺も、求めないと思っていた。」
「…誰かの中にいたことがない。」
「俺は、それを望まなかった。」
「なら、何故!」
「この気持ちは、何?俺自身が分からない。」
「私も、分からない。」
「共にいることは、出来ない?」
「続くはずがない。」
「俺は、続けたい。」
「…怖い…」
「俺も、恐れで…失いたくない。」
「私の視界に入る者は、嫌悪の対象だった。」
「俺達は、興味の目にも耐える…」
「知らない人が、名を知っている。」
「「同じ」」
混ざる色に、ゾクゾクと…
これは、恋心??
喧嘩に慣れたこの俺が、痛みを望む。
暴言をも…君の視線…
あれ?
名前を、呼ばれたこと…
「リュウカ…」
名を呼ばれ、嬉しさの衝動が身体を動かすのだと…
【ガバッ】
押し倒す俺に、肘で首を押し退ける。
「…ぐっ…ぐるじっ」
「ちょ、ちょ~しにのんじゃねぇえ!!!!」
痛みは増える…それを望むのは…
「リュウカ、こんな奴にお前を見せようと思った私が馬鹿だった。」
睦の持つ籠…
その籠は、ガラガラの鳴き声と凶暴に暴れる様子であの子猫の存在を示していた。
あれ?ネコ…俺と同じ名前…
彼女が知らないこと…それが、嬉しいなんて…
どMでヤンキー