短編集

~他人事~


楽しい授業は、早く終わるのに…
嫌いな教科の時間って、どうしてこんなに長いのかな??

本当に、時間…同じなのか!?イライラだよ…
ん?視線を感じる…

チラリ。

見知らぬヤロウが、私を見てニッコリ笑顔。
見てんじゃねぇ…てか、誰だっけ??
何か、記憶があるような…

他の事を考えてると授業終了…ラッキー!
お昼まで、お腹も耐えたし…給食時間よ、いらっしゃい♪


「え?今日、転校してきた月川 深黒 (つきかわ みくろ)君でしょ!」

浅黄に、見知らぬヤツが教室にいると言えば…呆れた表情での返答。
あぁ…紙パックジュース。いや、落としたクロワッサンか…

「中切さん、昼休みに…校内を案内してくれない?」

噂の転校生が、爽やかな笑顔。
お願いをされたが…

「しない。他の人に頼んでくれる?」

周りを取り囲む視線が、痛い。

「俺、中切さんが良いんだけど。」

私のイライラは、最高潮。

「空気、読めや!!ちっ…気分が悪い。トイレ行く!」

ビックリした顔の転校生と取り巻き。
ちょっと、自分の大声に…恥ずかしさが少し。

トイレに入り、手を洗って鏡を見る。
眉間にシワ…

どうして、他人と係わろうとするんだ?面倒くさい…
出来るだけ、自分を晒すことなく…係わりを持たないで、問題も少なく生きていたい。

ため息を吐いて、トイレから出ると…お決まりのような集団。

「中切さん、月川くんに近づかないで!」

うぜぇ…

「奴に言えば良い」

私の不機嫌に、言葉を詰まらせる。

「言えないなら、私が言おうか?ここにいる全員の名前を晒して、近づくなと言われたってね!」

集団で、何を言っているのか…負け犬の遠吠えで去って行く。
嫌われるのがイヤ?意味が分からない…

「強いな、お前…」

ウザいのって、なんで続くんだろう?

「白海、学校では近づくな!」


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