短編集

告白:櫂里side


好き…て何?南斗は、本気なの?
友達と、どう違うの?キスしたり、そんなことするのがそうなの?

『誰かに、渡したくない』

南斗の隣に、私以外の女の子?キスしたり、するの?
…嫌だ…南斗の隣は、私の場所。

南斗から、部屋を追われたのは初めてだ。

階段を下りる。

せっかく、おばさんが用意してくれた食事。
鍋に火をかけ、お玉をクルクル。味見をするのに、小皿を探す。

「南斗、小皿…」

いない…
そう、ここには独り。

火を止める。
自分で探した小皿に、一口…味がしない。

いつも一緒だった。独りで、ここにいられない。
いつもいた場所が、不安定になる。
ここは、どこ?南斗…うっ…

涙が零れる。

【カタン…】

「ごめん、静かだから一緒に食べようと…迷惑だよな。食べ終わったら、呼んで?」

「一人にしないで!…いやだ。他の人、選ばないで。と、隣は、私だもん!う…うあぁ~~ん。」

想像したら悲しくて…これは、南斗の想いと同じだろうか?
一緒にいたい。

ずっと、ずっと…他の人ではない南斗がいい。
あなたの隣に、私以外の女の人なんか考えられない。

寂しい。悲しい。

「…好き…好きだモン!!」

想いは素直に、告白となって…
本気なの!




end
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