短編集
昨日から、自分の身辺の激動について行けない。
いつも降りる駅…いつもの道…いつもと同じ高校の登校風景。
…じゃ、ない。
校門に、可愛い女の子に囲まれた…いるはずのない宇宙人が一匹。
家を出た時は、確かに寝ていたはずだ。
起きた物音は聞こえなかった。乗り物には、いなかった…
宇宙人め…
女性の嫉妬も理解せず、私に微笑み…
「桐沙!」
下の名前で、気安く呼びやがった!!
しかも…
「俺の恋人。俺の…彼女。」
周りに吹聴しましたか?
今、何を言っても嫉妬で狂った女の子の耳には、入らないだろう。
恨むわよ、ホントに!!
成哉を無視して、通り過ぎる。
…恋人って、何?付き合うって、どういうこと??
追いかけてくる成哉…手を掴まれ、振り払う。
「…嫌い。好きには、ならない。愛情は、…んっ?!」
怒りに、睨んで言葉を吐き出す唇が塞がれた。
目を閉じ、必死でしたキス…口に強く当たり、痛みがする。
「何するのよ!!」
【バシッ】
言葉と同時、怒りに混じった感情が行動となって現れた。
「…して…」
「え?」
平手で、視線は逸れたまま。
「…どうして、愛情が増えないの?キスが足りない?」
小さな声…
恥ずかしさに近い、今までにない感情に名を充てることも出来ず…言葉も出ない。
成哉の姿を見ないように、視線を逸らして…その場を離れた。
歩くスピードは速くなり、服の胸の部分を握り締め…
確実に、侵略を受けていた……
愛情じゃない。
そんなはずはない。キスで、愛情が増えるはずはない。
…だとすれば、これは何…
苦しみと、切なさと…味わったことのない感覚。
私は、標本…コイビトの……
end
いつも降りる駅…いつもの道…いつもと同じ高校の登校風景。
…じゃ、ない。
校門に、可愛い女の子に囲まれた…いるはずのない宇宙人が一匹。
家を出た時は、確かに寝ていたはずだ。
起きた物音は聞こえなかった。乗り物には、いなかった…
宇宙人め…
女性の嫉妬も理解せず、私に微笑み…
「桐沙!」
下の名前で、気安く呼びやがった!!
しかも…
「俺の恋人。俺の…彼女。」
周りに吹聴しましたか?
今、何を言っても嫉妬で狂った女の子の耳には、入らないだろう。
恨むわよ、ホントに!!
成哉を無視して、通り過ぎる。
…恋人って、何?付き合うって、どういうこと??
追いかけてくる成哉…手を掴まれ、振り払う。
「…嫌い。好きには、ならない。愛情は、…んっ?!」
怒りに、睨んで言葉を吐き出す唇が塞がれた。
目を閉じ、必死でしたキス…口に強く当たり、痛みがする。
「何するのよ!!」
【バシッ】
言葉と同時、怒りに混じった感情が行動となって現れた。
「…して…」
「え?」
平手で、視線は逸れたまま。
「…どうして、愛情が増えないの?キスが足りない?」
小さな声…
恥ずかしさに近い、今までにない感情に名を充てることも出来ず…言葉も出ない。
成哉の姿を見ないように、視線を逸らして…その場を離れた。
歩くスピードは速くなり、服の胸の部分を握り締め…
確実に、侵略を受けていた……
愛情じゃない。
そんなはずはない。キスで、愛情が増えるはずはない。
…だとすれば、これは何…
苦しみと、切なさと…味わったことのない感覚。
私は、標本…コイビトの……
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