（未完）自分に優しくありますように

第1話

いつからだろう。
こんなに学校に行くのが、憂鬱になったのは。
みんなが私を頼ってくれるのに、信頼してくれるのに……。
分かってるのに、陰口を言われてるって分かってるのに。
こんなに現実から目を逸らすのが、辛いなんて……
大嫌い、大嫌い、大嫌い、大嫌い。
こんなの、全部なくなってしまえば……。
今日も、死にそうな一日が、始まるのか。
偽りの笑顔を作って、
「おは……」
「愛菜ってさ、いい子ぶりすぎじゃない？」
「めっちゃ分かる〜」
騒がしい中、嫌な会話だけが、耳を通る。
「なんかさ、『私はみんなとは違います』オーラあるよね｣
その後、別の話に変わった。とホットしながら私は教室に入っていった。
「おはようございます」
そんな中、私と目が合ったのは、1人。
関わりのない男子だった。隣の席の男子だった。
みんなの話題のイケてる男子。
手に本を持ってこちらをじっと見てる男子。「加藤 陽仁」
頭が真っ白、ポッカーンとした顔（多分）で、席に向かった。
「おはよう｣
彼は静かにそう言った。
えっ、私？私に言ったの？
周りを見ても誰もいなかったので一応、
「おはよう……？」
戸惑って、変な声出ちゃった。恥ずかしぃ……。
「どしたの？他の人に言ったと思った？」
そりゃそうでしょ！喋ったこともないのに。
「う、うん……。ごめんね、ちょっと戸惑っちゃって」
彼は、加藤くんは、私に話しかける理由があったのだろうか。
「堀辺さんと話したことなかったもんね！実を言うとちょっと友達になりたい気持ちあったんだよね……？｣
えっ、嘘……、あの人気の加藤くんが？憧れの加藤くんが？私と友達になりたいと思ってくれてる？
「私でいいのなら、喜んで……！｣
ドキドキする……､憧れの人と友達となれたからか、ドキドキする……！