真夜中の初詣は恋の予感
恋人でもいればこんな不安が消えるのだろうか。
だけど、そんな他人任せな不安解消がいいとは思えない。
なにより、自分が一歩を踏み出す気にならないと。
順番が来て歩を進め、二礼二拍手をしてお参りをする。
いいことありますように、とお願いをして次の人に場所を譲り、歩き出す。
おみくじを引こうか迷って立ち止まったときだった。
「おねえさん、もしかしてひとり?」
「さっみしい!」
男性ふたりの声に、私は振り返った。
私より少し若いくらいだろう年齢の男性がふたり、にやにやとこちらを見ている。服装はちゃらくて、まっとうに働いているようには見えない。
「おねえさん、これから遊びにいかない?」
「もう帰るので」
「いいじゃん、どうせ誰にも相手してもらえないんだろ?」
ひとりがにやにやと手を伸ばしてくる。
嫌だ!
思わず逃げようとしたが間に合わず、腕を掴まれる。
「や、やめてください」
恐怖に声が震える。
周りは私たちの様子に気が付かずにがやがやと賑やかだ。
「鹿山さん!」
男性の声がして、はっとそちらを見ると、会社の同僚の立河さんがそこにいた。
だけど、そんな他人任せな不安解消がいいとは思えない。
なにより、自分が一歩を踏み出す気にならないと。
順番が来て歩を進め、二礼二拍手をしてお参りをする。
いいことありますように、とお願いをして次の人に場所を譲り、歩き出す。
おみくじを引こうか迷って立ち止まったときだった。
「おねえさん、もしかしてひとり?」
「さっみしい!」
男性ふたりの声に、私は振り返った。
私より少し若いくらいだろう年齢の男性がふたり、にやにやとこちらを見ている。服装はちゃらくて、まっとうに働いているようには見えない。
「おねえさん、これから遊びにいかない?」
「もう帰るので」
「いいじゃん、どうせ誰にも相手してもらえないんだろ?」
ひとりがにやにやと手を伸ばしてくる。
嫌だ!
思わず逃げようとしたが間に合わず、腕を掴まれる。
「や、やめてください」
恐怖に声が震える。
周りは私たちの様子に気が付かずにがやがやと賑やかだ。
「鹿山さん!」
男性の声がして、はっとそちらを見ると、会社の同僚の立河さんがそこにいた。