【短編集】あなたのおかげで今、わたしは幸せです
「ここに残っちゃダメですか?」
「え?」
「わたし、絶対役に立ちますし。……というか、リアム様と離れたくないんです! わたしみたいな女を大きな心で受け止めてくれるのはリアム様ぐらいだと思うし……本当に、リアム様のことが好きなんですよ」
今にも泣き出しそうな表情でラブがリアムを見上げる。リアムは小さく目を見開くと、ラブのことを抱きしめ返した。
「あなたの素直なところは可愛くてたまらないんですが……そういうセリフは男の俺に譲っていただきたいですね」
「え? それって……」
ラブの瞳から涙がこぼれ落ちる。と同時に、リアムがラブの額にそっと口づけた。
「俺はずっと、ラブ様を手放すつもりなんてありませんでしたよ?」
だからこそ、聖女を隠匿した罪で罰せられる危険を犯してまで報告を保留にしてきたのだ。もちろん、そんなことはかっこ悪くて誰にも言えやしないけれど……。
「――夢じゃありませんよね? というか、気のせいとか、たまたまとか、見えざる力が働いているとかじゃありませんよね?」
「違いますよ。だって、あなたは聖女ではないのでしょう?」
リアムが口付けると、ラブはキョトンと目を丸くする。
それから「そうですね!」と言って、満面の笑みを浮かべるのだった。
「え?」
「わたし、絶対役に立ちますし。……というか、リアム様と離れたくないんです! わたしみたいな女を大きな心で受け止めてくれるのはリアム様ぐらいだと思うし……本当に、リアム様のことが好きなんですよ」
今にも泣き出しそうな表情でラブがリアムを見上げる。リアムは小さく目を見開くと、ラブのことを抱きしめ返した。
「あなたの素直なところは可愛くてたまらないんですが……そういうセリフは男の俺に譲っていただきたいですね」
「え? それって……」
ラブの瞳から涙がこぼれ落ちる。と同時に、リアムがラブの額にそっと口づけた。
「俺はずっと、ラブ様を手放すつもりなんてありませんでしたよ?」
だからこそ、聖女を隠匿した罪で罰せられる危険を犯してまで報告を保留にしてきたのだ。もちろん、そんなことはかっこ悪くて誰にも言えやしないけれど……。
「――夢じゃありませんよね? というか、気のせいとか、たまたまとか、見えざる力が働いているとかじゃありませんよね?」
「違いますよ。だって、あなたは聖女ではないのでしょう?」
リアムが口付けると、ラブはキョトンと目を丸くする。
それから「そうですね!」と言って、満面の笑みを浮かべるのだった。