【短編集】あなたのおかげで今、わたしは幸せです
「だって、フィオナ様って四年間も子供ができなかった石女なんですよ! やっとできた子供も流産しちゃって、これから先に妊娠することもできないんですって。そんなの、女としての価値がないでしょう? だから、ハリー様もフィオナ様と離婚したんです。あっ……これってもしかして、公爵様にはお伝えしていなかった情報かしら? そんな、酷いわ……なにも知らずにそんな女性と結婚させられただなんて、公爵様が気の毒すぎます」
純粋無垢な女性を装いながら、キャサリンがフィオナを貶める。
フィオナの心臓が怒りのあまりドクンドクンと大きく跳ねた。もう我慢の限界だ――と思ったその時、アシェルがフィオナを押し留める。
「女としての価値が――いや、人間としての価値がないのはあなただろう」
「……は?」
アシェルの言葉に、キャサリンの口の端が引きつる。
「私はすべてを知っていて、フィオナに求婚した。フィオナ以外考えられなかった。フィオナほど愛情深く、魅力的な女性を私は知らない。そんな最愛の妻を君のような女性に侮辱されるなんて許せない。……公爵として、厳重に抗議させていただくつもりだ」
「抗議? だけど……」
「申し訳ございません、公爵。キャサリン、早く謝るんだ!」
ハリーが顔面蒼白になりながら、キャサリンの頭を無理やり下げさせる。「嫌よ!」と喚くキャサリンを冷たく睨みつけ、アシェルが再度口を開いた。
純粋無垢な女性を装いながら、キャサリンがフィオナを貶める。
フィオナの心臓が怒りのあまりドクンドクンと大きく跳ねた。もう我慢の限界だ――と思ったその時、アシェルがフィオナを押し留める。
「女としての価値が――いや、人間としての価値がないのはあなただろう」
「……は?」
アシェルの言葉に、キャサリンの口の端が引きつる。
「私はすべてを知っていて、フィオナに求婚した。フィオナ以外考えられなかった。フィオナほど愛情深く、魅力的な女性を私は知らない。そんな最愛の妻を君のような女性に侮辱されるなんて許せない。……公爵として、厳重に抗議させていただくつもりだ」
「抗議? だけど……」
「申し訳ございません、公爵。キャサリン、早く謝るんだ!」
ハリーが顔面蒼白になりながら、キャサリンの頭を無理やり下げさせる。「嫌よ!」と喚くキャサリンを冷たく睨みつけ、アシェルが再度口を開いた。