泡沫の恋
はじまり
こんな家に生まれてなかったらなって何度も思った事ある。

大学2年20歳で、私の命は狙われる事になった。

というのも我が家は少し大きな組の極道なのである。

どこからどうバレたかは知らないけど、その娘の命が他の組から狙われるってよくある話で、溜息を吐きながら目の前を通り過ぎるカップルを見る。

私だって少女漫画みたいなときめく恋してみたかったよ。

それなのにこんな家に生まれたばかりに、今私の隣に居るのは…。


「あー、本当煙草吸いたい。本当面倒くさい。」

「じゃあ今私をここに置き去りにして行けば」

「そんな事したらお前の父ちゃんに殺されるだろーが。本当、何でお前そんな活発に外歩き回るかな。」


そう言いながら愚痴を吐く私の護衛係。

22歳にして上り詰めた若頭、京極 朔夜。

私からしたらただのクズである。
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