泡沫の恋
「…あのさ、星羅ちゃん」

「はい?」

「今度、休日に一緒に出掛けない?」


お誘いに思わず固まる。

多分その出掛けるは、友人同士の遊ぶとかじゃなくて、デートのお誘い。だよね。

今の私はとてもそんな気になれない。


「…拓也さん、ごめんなさい。私、好きな人が居るんです。」

「そう、なんだ。」

「って言ってももう会えない人なんですけど。今はまだ、その人を想っていたくて」


あんな最低な男なのに、私は中々この恋心を手放せない。
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