泡沫の恋
自覚
お店には現地集合なので、裏門から出て何とか朔夜の目を盗んで出る。

朔夜には事前に少し遅くなると連絡しておいたのでまだ大学には着いてないはず。

嘘吐いた事は心苦しいけど、私の大学生活を楽しむために必要な事なの。

正直組が抗争でとか知らない。勝手に潰れればいいとすら思う。

そのせいで誰かに従わなきゃなら無くなったりとかしたとしても、私は家と縁を切るだけ。

お父さんの事、嫌いじゃないけどそれでも私が私らしく生きていたい。

お母さんみたいに囚われて人生を過ごすのはごめんだ。

裏門を出てしばらく一通りの少ない道を歩く。

今の所怪しい人影も車もない。

裏門の存在はそんなに知られていないから、誰も来ないと思う。

少しほっとして歩いて、そのまま居酒屋までの道を歩く。

少し出ると人通りも多くなるから、こんな中堂々と誘拐するバカは居ないだろう。

実際、居酒屋までは無事に辿り着けた。
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