泡沫の恋
戻った後、もちろん一件落着とは行かない。私と朔夜はお父さんから呼び出される。


「星羅、怪我は無かったかい?」

「…うん。」


そう返すのでやっとだった。これで良かったねで終わるわけが無いんだから、朔夜の責任がどうなってしまうのかが気になる。


「ひとまず星羅は無事だったし、また星羅の暴走だったし、朔夜はうちで今まで優秀に働いてくれてるから何もしたくないんだよね。」

「そういうのいいから、何か含み持たせて腹の探り合いみたいなん苦手だし。」

「そうだね、星羅。今回はお前が振り回して周りを騒がせた責任を取りなさい。」

「は?」


その言葉に反応したのは私では無くて朔夜だった。だけど私からしたらその方が良い。
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