泡沫の恋
数週間後、縁談の顔合わせが本日ある。

本格的な顔合わせとかを本格的には行わず、軽く会って話すだけにしてくれという相手の要望でめかしこんだりはしていない。

今日は家に来てくれるという話で、庭先に出て待つ。

あんだけ物分かりよく受けた割に少し怖かったりもする。どんな人かという事前情報は全く聞いていない。


「本当に今日会うわけ？」


朔夜に後ろから話しかけられてそちらに振り返る。


「何で、会うよ。寂しい？」

「寂しいとかそんなんは一切無いけど。普通の恋とかとやらは諦めたわけ？組長はなんだかんだお前のお願いには弱いから聞くんじゃねぇの。」

「…うーん、どうかな。」


確かに私には甘いけど今回の言う事は聞いてくれない様な気がする。それに…、こんだけもう十分好き勝手したらこういう所でくらいしか私の役に立てる所は無いから。
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