泡沫の恋
外を2人並んで歩くとその間緊張を解すように深見さんは柔らかい口調で話してくれていた。

その間の話は意外にも結構楽しくて、自然と笑えていた。


「ええ、何も聞かされてなかったんや。それは怖い思いしたやろうに。」

「来る前はそれはそれはもうドキドキで。」

「せやんね、俺も気になってたよ。星羅ちゃんどんな子かなって。」


こんな風に口に出していってくるからその容姿のせいもあって少しドキッとしてしまう。


「予想通りでした?」

「うん、予想通りええ子。というか4つも上やと気遣うかもせんけどタメ口でええよ。深見さんも、堅いから無し。」

「じゃあ、樂さん。」

「…うん、そっちのがええかな。」


そうこう話している内にすぐに家に着いてしまう。意外にもあっという間だった。
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