泡沫の恋
「じゃあ、俺はここでお暇しよかな。ほんまに少し会いに来ただけやし。」

「はい、楽しかったです。ありがとうございました。」

「いいえ、ほなね。星羅ちゃん。」


そう言って背を向けてく樂さんを見送って中に入る。

中に入ると朔夜が玄関先にしゃがみこんで待っていた。


「な、何してんの?」

「…お前の事待ってたんだよ。下手したら帰って来ないかもとか思って。」

「何で、帰ってくるよ。」


そう言い返すと朔夜は立ち上がって、私に近付いてくる。


「何もされてねぇ?」

「されてないよ、大丈夫。」

「…あっそ」


それだけ言うと朔夜は「早く入りな。」と私を中へと促す。

何か朔夜の様子がずっと変。
< 44 / 117 >

この作品をシェア

pagetop