泡沫の恋
「ごめ…、私のせいで、危険な目に…。私置いて出てくれて大丈夫」
「ふざけんな。俺が護衛係な限りお前に死なれたら困るんだよ。命張っても守るって決めてるから。置いてくとか胸糞悪い事言うな」
「もう朔夜を危険に曝したくないよ、私。」
「もう黙れ。わかってんだよ、とっくに足突っ込んだ時から危険な事なんて。」
そう言いながら手と足の縄をナイフで手際良く切る。
それから朔夜は私の肩を掴んで目を合わせると、軽く頭を撫でて安心させるように少し笑みを見せてくれる。
「いいか、もし捕まりそうになったら俺の事置いてでも外に逃げようとして。外にさえ出ればどうとでもなるようにしてるから、意地でも外に出ろ。」
「嫌、何でそんなこと言うの」
「お前居たら逆に気取られるから、頼むから言う事聞いて。分かった?」
言い聞かせる様な優しい言い方。
その分かった?の聞き方は高校生の時の出会いたての朔夜を思い出した。
私が好きで仕方なかった、初めて恋をした瞬間の朔夜。
その言い方で私はうんと素直に首を縦に振るしかない。
朔夜は「良い子」と言って私の腕を引いて立たせる。
いつも言葉は足らないけど、こういう時の朔夜を私は信じるしかない。
「ふざけんな。俺が護衛係な限りお前に死なれたら困るんだよ。命張っても守るって決めてるから。置いてくとか胸糞悪い事言うな」
「もう朔夜を危険に曝したくないよ、私。」
「もう黙れ。わかってんだよ、とっくに足突っ込んだ時から危険な事なんて。」
そう言いながら手と足の縄をナイフで手際良く切る。
それから朔夜は私の肩を掴んで目を合わせると、軽く頭を撫でて安心させるように少し笑みを見せてくれる。
「いいか、もし捕まりそうになったら俺の事置いてでも外に逃げようとして。外にさえ出ればどうとでもなるようにしてるから、意地でも外に出ろ。」
「嫌、何でそんなこと言うの」
「お前居たら逆に気取られるから、頼むから言う事聞いて。分かった?」
言い聞かせる様な優しい言い方。
その分かった?の聞き方は高校生の時の出会いたての朔夜を思い出した。
私が好きで仕方なかった、初めて恋をした瞬間の朔夜。
その言い方で私はうんと素直に首を縦に振るしかない。
朔夜は「良い子」と言って私の腕を引いて立たせる。
いつも言葉は足らないけど、こういう時の朔夜を私は信じるしかない。