恋人が冷たいので浮気を疑っていたら、プロポーズされました。
レンくんと付き合い始めたのは、高校生の時。生徒会でレンくんは会長をしていて、私は書記だった。卒業式に彼から告白されて、いつもきらきらした笑顔のレンくんに、私は射抜かれてしまった。
二人で同じ大学に通い、勉強し、恋人として過ごし、充実な大学生活を過ごした。社会人になって二年目で、レンくんは会社を起てた。それから三年の月日が流れ、私もレンくんも二十八歳になった。付き合って十年目であり、来年で十一年目だ。そして、レンくんは今まで一度も浮気をしたことがなかったのである。
でもそろそろ……間違いが起きても不思議じゃない。
それに、レンくんは企業するだけのパワーを持っている人だけど、少し気の弱い一面もある。その隙をつかれて……などと考えてしまう。
私は両手でココアを持ちながら、はらはらと涙を零した。映画もちょうど悲しいシーンだったので、余計に涙が溢れてしまう。