恋人が冷たいので浮気を疑っていたら、プロポーズされました。



「シズクちゃん!?何で泣いてるの!?」


レンくんは何か袋を持っている。私を見るなり駆け出して、私をぎゅっと抱きしめてくれた。


「どうしたの?辛いことあったの?」


必死になっているレンくんにほっとして、私は洗いざらい話した。浮気や別れを疑ってしまった事を、後悔しながら。


「レンくんごめんね」


「ううん。シズクちゃんは悪くないよ。謝らないで。俺が……悪いんだから」


そう言うと、レンくんは袋から……結婚の情報誌を取り出し、私に手渡した。それから、小さな箱から、キラリと光る指輪も。


「レンくん、どうして……?」


「本当は……クリスマスにプロポーズするつもりだったんだよ。だけど、緊張して、なかなか言い出せなくて、クリスマスが終わっちゃって……。自分が情けなくて、いつにしよういつにしようって考えてたら、なんかそればっかり頭でグルグル回ってさ。最近シズクちゃんに優しくできてなかったなって、反省した。それでもう、今日、我慢できなくて……結婚を申し込もうと思ったんだ」


私はまた涙を零した。今度は、嬉し涙だ。



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