御曹司に元日デート誘われました。
十歳まで、私の家の向かい側に、幼馴染の男の子がいた。豪華な屋敷に住んでいて、お坊ちゃんだという事は知っていた。でも、私たちはそんなのは関係なく、ずっと仲良く遊んでいたのだった。だけど、その幼馴染は海外に引っ越してしまい、私は彼がいなくなってから、初恋をしていたのだと気づいた。
あれから十三年……。その男の子、リオが帰ってきた。二十三歳の大人として、きらきらした瞳の、爽やかなイケメンになって……。
***
「よし、着付けはバッチリね!」
元日。私は母と祖母の手によって、初詣に行くための晴れ着姿にされた。今日はリオと神社にお参りに行く日なのだ。母も祖母も、リオが大手企業の御曹司だということは十分分かっていて、私に玉の輿させようと目論んでのことだった。
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