御曹司に元日デート誘われました。




「こ、これはおばあちゃんとお母さんが着せただけで、私は着物姿になる気は……」


私が恥ずかしくてそう口走ると、


「おばあさんとお母さんが、サクラちゃんをこんなに綺麗にしてくれたんですか?いや、ありがとうございます。なんとお礼をしていいか……」


リオは母と祖母に両手で握手をした。二人ともはしゃぐように喜んで、私はますます恥ずかしくなるのだった。


「では、サクラちゃんをお預かりしますね。行こう、サクラちゃん」


今度は私に手を差し伸べた、リオ。私は手を掴んで彼の迎えの車に乗った。リオは終始ワクワクしてるようだった。


「日本車にしたんだけど、右ハンドルに左側通行が慣れてなくて。ゆっくり車動かしてもいい?サクラちゃんと少しでも長くいたいしね」


「うん……。わかった。気をつけてね」


私は顔を赤くする。そうして車でリオに連れ去られて行く。初恋だった彼。昔よりずっとたくましくなって、イケメンになっちゃって。自然と頬が染まったのだった。



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