御曹司に元日デート誘われました。



私は思わず笑ってしまった。なんて愛らしい人だろう。初恋の時の、甘い気持ちが蘇ってくる。離れたくなかった、あの悲しかった気持ちも。


「リオ、大丈夫だよ。私もね、一緒に仲良くいたいなって思うよ」


「……本当?それは、幼馴染として?」


「うーん、もう大人だし、言っちゃうけど……。まあ、恋愛感情あるよ?リオが初恋だったし」


つらつらと、自分らしくない、大胆な言葉が出てくる。好きな気持ちが、だんだん大きくなってしまった。これだけ会っていなかったのに、リオに惹かれてしまっているのは明白だった。


「そっか……。俺が気づいてたら、もっとずっと前から両想いだったかも知れないね」


「それって……?」


「俺もサクラちゃんが初恋だったよ。日本から離れる前に、伝えるべきだった」


私とリオは、互いに見つめる。彼はそっと、私に口付けした。そうして、


「俺の彼女になってください」


そう言うのだった──。




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