年下の彼氏♪




「私のこと、綺麗な名前みたいだね。似合っているよ。そう言ってくれたじゃないの」


大学生のとき―


一度だけそう言ってくれた。


「私はこの名前が嫌だった。雨や月のように、美しい人―。そう連想するような、名前」


「でも、あなたは違った。内面も見てくれた。私はただ嬉しかった」


浩輔は何も言わない。


「私は月のような人になりたかった」


泣き笑いのような顔。


「でも、もう無理でしょう?」


浩輔は雨月を見た。


< 94 / 105 >

この作品をシェア

pagetop