脳内大クリスマス大会'07
どれ程歩いただろう

気がついたら私は森の中に居た

そうだ

そもそも人間に出会わなければ

私は悪魔に出会う事など無い

このままこの森で暮らそう

もしそれが叶わなくとも

もしかしたら数週間・・・いや数日もすれば

この世界中誰一人として

生き残っている人間は居ないのでは無いだろうか?

6人の無残な姿を思い出しながら

私は当ても無く暗い森の中を歩いた

誰かに踏みしめられる枯れ木の音

私の緩んでいた緊張の糸が張り詰める

音のする方に目をやると

一人の少女が目を瞑り立ち尽くしていた

もしかしたら

彼女も私と

私は恐る恐る彼女に声をかけた

しかし

何度声をかけても彼女は微動だにせず

目を瞑ったままその可愛い胸を上下にさせている

私は彼女に近づき

触れる事無く彼女を観察した

すやすやと寝息を立て

彼女は眠っていた

まるで蝋人形の様に

真っ直ぐ立ち尽くし

眠っていた

もしかしたら

私は13番目だったんだろうか?

彼女の安らかな寝顔が

私にはとても切なく

彼女はこのまま起きる事無く衰弱し

死していく姿が私にはぼんやりと見えた
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