脳内大クリスマス大会'07
私だけでは無い

この森に居るのは

誰もが考えうる事

私は目を瞑り考えた

どうすれば出会う事を回避出来るか

いや

出会ってもいい

視界に入りさえしなければ

そうだ

声を上げよう

そして

自らが今まで出会った人数を教えあえばいいじゃないか

私は目を開き

暗い暗い森の中

叫びながら歩いた

木霊する声

その木霊する声色が

何やら自分の声色とは違うように聞こえた

誰か居る

少なくとももう一人

私は私が出会った人数を叫んだ

木霊する声

そしてもう一つの木霊

「ゅう・・・さ・・・にん・・・」

私は思わず耳を疑った

13人

彼は間違い無くそう言い

そして私の声を頼りに私の前に姿を現した

驚くほど紳士的で

彼は私に食べかけのチョコレートを手渡し

そして今までの事を話してくれた

私がこれまで体験してきた事と

それ程差は無く

ただ一つ違う事は

彼は13番目の悪魔を見てなお

正気を保ち私の前に居ると言う事

私は彼を心のどこかで疑い

そして心を固く閉ざしてはいたが

彼の巧みな話術に魅了され

どんどん彼に引き寄せられていた
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