脳内大クリスマス大会'07
どれだけ時が過ぎただろう

私は誰かの雄たけびと共に正気に返る

後ろを振り向くと

そこにはとても人とは思えぬ様な姿をした人間が息を荒げ

月に向かいまるで狼の如く雄たけびを上げていた

私をかばうかの様に彼は私の前に飛び出し

人狼に掴みかかる

彼は私に逃げろと言い

私は迷う事無く走り出した

今自分がどうなっているのか

分からなくなっていた

自分はまだ人間なのか

彼はなぜ悪魔と出会いなお

人間で居られるのか

ぐるぐると走馬灯の様に

今まで出会った9人の悪魔達の顔が思い浮かんだ

どれ程走っただろう

私は森から抜け出し

いつしか街の中を歩いていた

街に正気は無く

全てが異常で

全てが死して

それがまた綺麗で

私には不思議と正常に思えた

もう

どうなろうと

この世に善など無い

いつしか私の心には

悪が満ち溢れていた

もういいじゃないか

13番目の人間に出会うまで

思うがままに

自らの欲求を満たせば
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