脳内大クリスマス大会'07
私は走り出した

ラジオ局に向かい

視界に入る人間が全て

屍に見えた

私は

何者か

どれ程時がたったのだろう

真昼の太陽が血の海を焦がす

私はラジオ局の中に入り

最上階へと向かう

なぜか

呼び寄せられているような感覚

まるで

運命

モノトーンの扉を開ける

1人の女性がヘッドホンをつけ

コーヒーを飲んでいた

多分私は彼女を睨んでいるのだろう

彼女の瞳に映る私が悪魔に見える

「ようこそ」

「あなたがこの街の一番目の創世者ですね」

コーヒーをテーブルに置きホワイトボードを指差す

「この街での創世者は男女各一名の予定です」

「ほら計算式も書いてあるでしょ?」

理解し難い数字と文字の羅列

そして弾き出された1と1

「あなたが創世者たる証拠もここに書いてあります」

性、睡眠、妄想、創作、物欲、菓子、支配、視、変態

牛乳、眼鏡、黒、運命

「私が12番目のはずですよ・・・そして運命」

私は目を瞑り

今まで出会ってきた人間達の表情を思い浮かべた

妄想・・・視・・・性

菓子・・・創作・・・物欲

睡眠・・・・・・変態

8番目の彼は・・・支配だったのか

眼鏡・・・黒・・・運命

「そして13番目に出会うであろう男性・・・」

「あなたはその彼とこの街のアダムとイヴになってもらいます」

「あなたがここにたどり着いたように」

「彼も同じように12人に出会い」

「そしてあなたと13番目に出会うのです」

「それではさようなら」

彼女はそう言い残し外へと向かった
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