はわわって言えばなんとかなると思ってた~拗らせ次期宰相からの執愛はウザい!~
「責任取りすぎなのよ!」
「安心してよ。俺は何が合っても責任取るから」
 いや、玉の輿は狙っていた。狙っていたし、借金まみれで没落しかけている私を娶ってくれるだなんて渡りに船ではあるのだが、流石に次期宰相夫人のポジションまでは狙っていなかった。
 口止め料として家の借金と使用人たちのお給料と彼らと私の次の職場を紹介して貰うくらいのつもりだったのに。
(それがまさかの勉強漬けにされるだなんてッ!)
 しかも厳しい。めちゃくちゃにスパルタ。
 家庭教師といえば執事が仕事の合間に色々教えてくれたことが全部の私に、今更こんなに突然色々と詰め込まれてもすぐに覚えられるはずなんてない。
 けれど不満を全面に出す私を見たリチャードが隠す気もなくプッと吹き出した。

「ははっ、奇跡の美少女って呼び名に似合った奇跡の不満顔だ」
「うるっさいわね。煽りたいなら本気出しなさいよ」
「折角男爵家の使用人たちのその後を教えてあげようと思ったんだけどなぁ」
「はわわっ、教えて欲しいですぅ~!」
「くふっ、いいね、その変わり身嫌いじゃないよ」
「はわはわ、さっさと教えろくださぁい☆」
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