はわわって言えばなんとかなると思ってた~拗らせ次期宰相からの執愛はウザい!~
4.素直な言葉で言うべきことは
ぽつりと溢すように重ねられたその言葉に一瞬きょとんとした私は、どこかしゅんとした顔をした彼に小さく笑ってしまう。
「そう、わかった」
「――、っ」
「別に何も言わなくていいわよ。まぁあのふたりは私が生まれる前からずーっと働いていてくれたらしいしね。単純に年よ」
(ま、ふたりに会えないのは寂しいけど。でも今生の別れってわけでもないし)
こればかりは仕方がないことであり、いつか必ずくることだ。だから彼が悲しい顔をする道理なんて何もないのに、落ち込んだような彼が少し可愛く思えてしまう。
「その代わり退職金はしっかり払っといたから」
「はわわ、ありがたいですぅ~!」
「ははっ、喜んだならよかった。じゃあ俺はもう行くから」
「え、どこに行くのよ」
「寂しい?」
「誰が!」
しれっとそんなことを言うリチャードに反射的に噛みつくと、まるで心底楽しいと言わんばかりの笑顔をひとつ残して部屋から出て行った。
「どうされます? 休憩されますか」
「まさか。タダで勉強させてくれるなんてラッキーだもの、やるわよッ」
「……ふふ、かしこまりました」
「そう、わかった」
「――、っ」
「別に何も言わなくていいわよ。まぁあのふたりは私が生まれる前からずーっと働いていてくれたらしいしね。単純に年よ」
(ま、ふたりに会えないのは寂しいけど。でも今生の別れってわけでもないし)
こればかりは仕方がないことであり、いつか必ずくることだ。だから彼が悲しい顔をする道理なんて何もないのに、落ち込んだような彼が少し可愛く思えてしまう。
「その代わり退職金はしっかり払っといたから」
「はわわ、ありがたいですぅ~!」
「ははっ、喜んだならよかった。じゃあ俺はもう行くから」
「え、どこに行くのよ」
「寂しい?」
「誰が!」
しれっとそんなことを言うリチャードに反射的に噛みつくと、まるで心底楽しいと言わんばかりの笑顔をひとつ残して部屋から出て行った。
「どうされます? 休憩されますか」
「まさか。タダで勉強させてくれるなんてラッキーだもの、やるわよッ」
「……ふふ、かしこまりました」