はわわって言えばなんとかなると思ってた~拗らせ次期宰相からの執愛はウザい!~
 それだけではない。リチャードが『責任を取る』と言って聞かなかったのだ。その責任の取り方を男爵家の使用人たちの今後で、とこれも必殺☆はわわで頼んだのだが、それも効かなかった。
「結果的に使用人たちの面倒も見て貰えたからいいっちゃいいんだけど」

 わざと態度を悪くしてこの程度もできないバカ女願い下げだ! 婚約破棄だ! を狙ったが、何か言っても『責任はとる』という姿勢を崩さないリチャードのせいで現在進行形で厳しい花嫁修業をさせられる結果になってしまった。
 とことん「はわわ」の不発である。今までは「はわわ」の一言でなんとでもなったのに、ここに来ての連続不発は流石に堪えた。何故なら私はこれまでの人生「はわわ」のみで乗り気って来たからである。
 その事実に絶望しながらも用意されたベッドへ向かっていた私は、ふかふかのベッドへ飛び込む寸前で足を止めた。

「お礼は、言った方がいいわよね」
< 17 / 47 >

この作品をシェア

pagetop