はわわって言えばなんとかなると思ってた~拗らせ次期宰相からの執愛はウザい!~
「……家のこと、ありがと」
「え? もう一回言ってくれる?」
「絶対聞こえてたでしょ!? でもいいわよ! 何回でも言ってあげる、ありがとうございましたッ!」
「ふはっ、大盤振る舞いだ」
怒鳴るようにお礼を言いながら私も彼の向かいの席へとボスンと腰かける。どうせもう彼には本性がバレているし、それに「はわわ」が効かない相手にはどうしようもないのだからこれでいいのだ。
「美味しいな」
「そ? よかったわ。ゴミ箱漁った甲斐がある」
「ごふっ」
「え。何よ、文句ある? こんな時間に誰か起こせるわけないじゃない」
まだ未使用の材料は料理人たちがメニューを決めて計算し仕入れているものだ。花嫁修業で来ているとはいえ、部外者の私が無断で勝手に使っていいものではない。そうなれば必然的に私が使える材料は廃棄されたものしかないのは当然だろう。
(美味しいって言ってくれたし味はいいはずなんだけど――)
「え? もう一回言ってくれる?」
「絶対聞こえてたでしょ!? でもいいわよ! 何回でも言ってあげる、ありがとうございましたッ!」
「ふはっ、大盤振る舞いだ」
怒鳴るようにお礼を言いながら私も彼の向かいの席へとボスンと腰かける。どうせもう彼には本性がバレているし、それに「はわわ」が効かない相手にはどうしようもないのだからこれでいいのだ。
「美味しいな」
「そ? よかったわ。ゴミ箱漁った甲斐がある」
「ごふっ」
「え。何よ、文句ある? こんな時間に誰か起こせるわけないじゃない」
まだ未使用の材料は料理人たちがメニューを決めて計算し仕入れているものだ。花嫁修業で来ているとはいえ、部外者の私が無断で勝手に使っていいものではない。そうなれば必然的に私が使える材料は廃棄されたものしかないのは当然だろう。
(美味しいって言ってくれたし味はいいはずなんだけど――)